【父親・母親の終活】今からやっておくべき3つの備え「はじめの一歩」

いつか必ずやってくるそのときに備えて、今のうちにやっておくべきことは?

親が高齢の方、体調が心配な方
親の終活について、ちょっと気になっている方

でも、まだ看取りについて考えるのには早い気がする・・・

そんな方へ、今回は、身構えずにできるもしもの準備を3つご紹介します。

どれもお金もかけずにできることですが、早めからやっておくだけで、もしものときのトラブルを防ぐことができます。できることから始めてみてくださいね。

準備は早めにやっておく

事実、もしものときの備えは、「生前から早めに」が鉄則です。

親の年齢が60〜70代ではじめる方もいれば、もっと早くからご自身で始めている方もいらっしゃいます。早すぎることはありませんが、遅すぎるのは失敗のもと。

なぜかというと、親の容態が悪化したり、突然亡くなってしまってからでは、準備する時間が圧倒的に足りないからです。余計な費用がかかったり、葬儀社選びに失敗したり、残された家族がモメたり・・・。準備を始めるのが遅いと、後悔の残るお見送りになってしまう可能性が高まります。

ポイント
現時点で親の容態が思わしくない場合は、今回ご紹介する内容よりも踏み込んだ準備が必要です。

 

今からやっておくべき「もしも」の備え3つ

今回は、早めから気軽にやっておきたいもしもの備えをご紹介します。
いつか訪れる旅立ちの日までに、いま、親のためにやっておくべきことは、こちらの3つ。

今からやっておくべき もしもの備え
 

  1. 親の気持ち・今のくらしについて聞いておく
  2. 家族それぞれの気持ちも聞いておく
  3. 葬儀社選びを始めておく

それでは、今やっておくべき備えをひとつずつ見ていきましょう。

1.親の気持ち・今のくらしについて聞いておく

まず大切なのは、親本人の気持ち。
今の暮らしや、もしものときについて、父親・母親本人が今どう考えているのか、あなたはどのくらい知っているでしょうか?

日頃から親と本音で会話している方にとっては「そんな簡単なこと・・・」と思えるかもしれませんが、そうではない方がほとんどではないでしょうか。

「親に気持ちなんて聞けないよ!」という方でも大丈夫。
やってみようと思うとハードルが高く感じるかもしれませんが、現時点では、細かく聞き取る必要はありません。
なんとなくでも良いので、「今はこんな風に考えているんだな」「もしものときは、こんな風にはしてほしくないみたいだな」というのがわかれば満点です。

例えば、こんなことについて聞いてみてください。

今の暮らしのこと

  •  日頃、困っていること・楽しいことは?
     →親と離れて暮らしている方はとくに、今の暮らしについて会話してみてください。心の距離がより近くなり、本音も聞きやすくなります。親と同居している方も、知らなかった心のうちが発見できるかもしれません。 
  •  今の親戚づきあい・交友関係は?
     →親のもしものときには、親族と連絡を取り合ったり、協力が必要になることもあります。日頃、親戚付き合いを親にまかせている場合は、関係性や連絡先をあらためて把握しておきましょう。
    ご近所付き合いや、趣味で仲の良いお友達など、親の交友関係も知っておくと安心です。

自分(親本人)の旅立ちのこと

  •  もしものときは、どんな風に見送ってほしい?
     →「お金はかけないで良い」「お世話になった人を呼んでほしい」など、旅立ちのイメージをなんとなく思い描いている方も多くいらっしゃいます。「悲しい雰囲気にはしてほしくない」など、こうしてほしくないという希望があるかもしれません。
  •  終活やエンディングノートは自分で準備している?
     →最近では終活という言葉も浸透し、早め早めからご自身で終活を始める方も多くなりました。もしものときの希望などを書き込むエンディングノートをご自身で用意しているかもしれませんので、親に聞いてみましょう。
ポイント
看取りやお金のことなどを具体的に聞き出そうとしているように感じてしまうと、親ご本人も嫌な気分になってしまうかもしれません。

親の考えをおおまかに知るのが今回の目的ですから、無理のない程度に、前向きな気持ちで少しずつ会話してみることをおすすめします。

やりたいこと

  •  いつかやってみたいと思っていることは?
     →今やっておくべき準備は、もしものときに困らない為だけにやるのではありません。親の気持ちを知ることで、これからの日々をもっと大切に過ごすヒントにもなります。いつか行ってみたい場所、もう一度会いたい人、食べたいものなど、親のしたいことを手伝ってあげたり、一緒に思い出を作れるかもしれません。いろんな「やってみたいこと」を聞いてみてはいかがでしょうか。

 

2.家族の気持ちも聞いておく

父親・母親本人の気持ちはもちろん大切ですが、あなたやご家族の気持ちもとっても大切です。

親との日々の過ごし方や、もしものときの看取り方、お葬式の形式、相続・・・。今後、たくさんのことを決めていく中で、ご家族がモメることは、残念ながら想像以上に多くの人が経験します。
親の気持ちだけでなく、子供であるあなたのご兄弟など、ご家族それぞれの気持ちも聞いておくことをおすすめします。もちろん、あなたの気持ちをご家族に話しておくことも大切ですよ。

家族と話しておくべきこと

  • もしものときの見送り方(お葬式の形式、呼ぶ人の範囲、場所)
     →親の旅立ちのとき、どんな風に見送ってあげたいでしょうか。ご家族それぞれで意見がバラバラなこともあれば、ご家族みなさんの意見は一致していても親本人とは希望が異なることもあります。例えば、親が「葬儀には身近な家族だけ呼んでくれれば良い」と言っていても、ご家族としては「今後のお付き合いを考えるとそうはいかない」というのもよくある意見の食い違い。まずは、ご家族それぞれの考えを知っておきましょう。

 

3.葬儀社選びを始めておく

「葬儀社選びなんて、気が早すぎる」と思うかもしれませんが、後悔しないためには今のうちに情報を集めておきましょう。

最期を迎えたとき、すぐに必要になるのは葬儀社への連絡です。例えば病院で息を引き取った場合、数時間のあいだに葬儀社に来てもらい、すみやかに病院を出ないといけません。つまり、あらかじめ信頼できる葬儀社を決めておかないと、悲しみに暮れる暇もなくあわてて葬儀社探しをすることになるのです。数ある葬儀社の中から、運良く良い葬儀社に当たれば良いですが・・・。

失敗しないためにも、生前の葬儀社選びは必須です。インターネットや電話で気軽にできるので、必ず早めに始めておいてくださいね。

まずは葬儀社の資料を取り寄せておく

現時点で親の容態が良くないという場合を除き、今すぐに葬儀社を決める必要はありません。ただ、まず資料だけは色んな葬儀社から取り寄せておいてください。届いた資料を比較しながら、時間と心に余裕を持って、信頼できる葬儀社を選んでいきましょう。資料請求は無料でできます。

ポイント
遅くとも、親の容態が心配になってきたら、どの葬儀社に依頼するのか正式に決めましょう。

無料見積もりで、だいたいの費用を調べておく

ほとんど全ての葬儀社で、無料で見積書を取り寄せることができます。正確な金額は葬儀内容を細かく決めないとわかりませんが、まずはおおよその金額を調べておきましょう。

「家族だけのお葬式」の場合や、「お付き合いのある人を幅広く呼ぶ場合」など、条件を変えていくつか見積書を作ってもらうこともできます。お葬式っていくらかかるんだろう?という不安も、おおよその費用の目安がわかれば楽になりますよ。

ポイント
資料請求や無料見積もりをしても、そのあと葬儀社からしつこく勧誘されるようなことはほとんどありません。

気軽に取り寄せて、いろんな葬儀社の違いを確かめてみてください。

 

親のもしもの備えとするときのポイント

ご紹介した今やっておくべき備えをご覧になって、「わりと簡単」「意外に難しい」、どう感じられましたか?

お父様・お母様の性格や、体調、ご家庭の事情によっても状況は変わりますが、親や家族とスムーズに話しやすくなるヒントをいくつかご紹介しておきます。

大切な話は、他の家族も同席している場が安心

親の考えや希望をおおまかに聞いておくだけであれば、他の家族がいない場所でも大丈夫。

ただし、延命治療や相続の話など、とくにデリケートなことについて親の考えを聞くときは、できるだけ他の家族も同席している場で行うのがおすすめです。

1対1で話すと、その場にいなかったご兄弟など家族と、認識が食い違ってしまう恐れがあるからです。

「あのとき、お父さんがこうして欲しいと言っていた」
「いや、私は聞いていないし、お父さんはそんなこと言わないはずだ」

など、のちのちトラブルにつながってしまうこともあります。

なかなかご家族みんなが揃うことは少ないでしょうから、お正月やお盆、ご親族の法要など、帰省したタイミングで話すきっかけを探してみてはいかがでしょうか。それほどデリケートな話でなければ、日頃からお考えを少しずつ聞いておきたいですね。

「子供に迷惑をかけたくない」という気持ちをくすぐる

自分にもしものことがあったとき、子供に迷惑をかけたくないからと、ひそかに自分ひとりで終活に取り組んでいる親は少なくありません。ご本人がすでに終活をはじめているかもしれないので、それとなく聞いてみてください。

一方で、終活に抵抗があるお父様・お母様も、子供やご家族のことを思ってやってみようと思ってくれるかもしれません。
「もしものことがあったとき、残された私たちも困ってしまうから・・・○○をどうしたいと思っているのか聞かせてくれない?」と、親心をくすぐってみるのも一つの方法です。

もちろんこれはウソではなく、本人の希望がわからないまま親が旅立ってしまうと、残されたご家族が困ったりモメてしまうことはよくあります。

もしもの備え。実はみなさん普通にやっています

ひと昔前までは、生前から備えをしておくなんて不謹慎だと考える方も多くいらっしゃいました。でも、今はごくごく一般的なことになりました。

テレビなどでも色んな有名人の方が終活を行っていることもよく目にします。有名人や高齢の方に限ったことではなく、若い40代や30代の方であっても年齢に関係なく、今の考えをノートなどにまとめておく方も増えています。早めから備えておき、今後考えが変わったら書き直せば良いのです。

これからの日々をどう過ごしたいか見直すきっかけにもなる終活は、決して悲しいだけのものではありません。
高齢や認知症など、お体の状況によっては意思疎通が難しくなってしまうこともあるので、ぜひ日頃から少しずつご家族で向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

親と話すのがむずかしくても、これだけは・・・!

「そうは言っても、親や家族と話すのはむずかしいし、どうしよう・・・。」

そんな方は、まずは自分1人でもできる備えから始めてみてください。ご紹介した3つのやっておくべき備えのうち、「葬儀社選びを始める」ことはお一人でも簡単にできます。

どんな葬儀社があって、どれだけ親身になってくれそうかなどをチェック。それだけでも失敗をグッと減らせますので、ぜひ色んな葬儀社からパンフレットや無料見積書を取り寄せて比較してみてください。目安としては、3社〜5社くらいに資料請求して比較してみるとわかりやすいですよ。

資料を取り寄せておきたいおすすめ葬儀社は、こちらのランキングでご紹介しています。